エアコンは嫌いです

都内某大学に通う文系大学生のメモ。

ギャップ

ギャップ萌えという言葉が語る通り、イメージが上がるようなギャップは素敵だ。氷結のCMなんてその典型だろう。

普段はぽわぽわしてるさかなクンが、全身黒に身を包みサックスを吹く。リーゼントにサングラスて改造学ランに身を包むが基本スタイルである綾小路翔が、髪を下ろしてサングラスをとり白いTシャツを着たさわやかな装いになる。クールなイメージの強い真木よう子が、チャップリンのような服を着てノリノリでヒゲダンスを踊る。どれもきゅんときた。

いちばん好きなのは、志村けんの回だ。志村けん、と言われると、国民的コメディアンとして世代を超えて楽しめるちょっとお下品なコントを演じる姿が思い浮かぶが、このCMで見られる彼の姿はひと味違う。

冒頭は、バカ殿に扮した彼が「よいではないか〜」ときれいなお姉さんを追いかけ回す、いつもの姿から始まる。

すると、三味線の音が聞こえてくる。氷結のCMでおなじみのあの曲、「Paradise Has No Border」だ。そこには紋付袴に身を包み真剣な眼差しで三味線を演奏する志村けんがいた。真っ暗ななか彼だけがスポットライトで照らされている。ゆっくりとワンフレーズ演奏したあと、「ハッ!」と彼がかけ声をかけると、画面がパッと明るくなり、共に演奏する東京スカパラダイスオーケストラやプロ三味線奏者である上妻宏光が映し出される。画面の背景はスカイブルー。

楽しそうに、それでいて渋い表情で演奏する志村けんから目が離せなくなる。なんてかっこいいんだ。きゅんとくる対象に年齢など関係なかった。

ギャップは大切だ。たとえば普段おちゃらけている人が真剣になった瞬間や、クールな人が動物にめろめろになっているときは、誰だってきゅんとしてしまうだろう。

氷結のCMは、人間のギャップ萌えに注目した。よい着眼点だ。有名人の意外なかっこよさを一目見れば、きっと印象に残る。何度でも見たくなることだってあるだろう。

わたしはこの志村けんのCMを見てからというものの、彼のことが頭から離れない。何度も繰り返し見てしまう。結果、氷結を飲みたい気持ちが高まってきている。

やられた。