エアコンは嫌いです

都内某大学に通う文系大学生のメモ。

アイドルという存在

見るものに勇気と希望と元気を与えるかわいい女の子、アイドル。そんな彼女たちが成すグループが乱立し、アイドル戦国時代と呼ばれるようになったのはもう10年前も前のこと。

当時地下ドルと呼ばれていたももいろクローバーは、ももいろクローバーZとなり、さして顔の作りが優れているわけでもない5人組が国立競技場でライブを行うなど既存のアイドルの概念を打ち破る存在となった。

当時まだできたてほやほやだったAKB48は程なくして大ブレイクを喫し、派生グループも続々と誕生、握手会と総選挙によるCDの売り上げで社会現象まで引き起こした。

そして現在。AKB48ももいろクローバーZのブームは収束を見せ、新たに乃木坂46でんぱ組.incが台頭する。地下ドルのさらに下に、地底ドルと呼ばれるグループも登場するほど、アイドルの数は増えた。

暗い過去があり、もともと根暗であったという女の子のグループが売れているように感じる。かくいう自分も、なんだかんだつらい中学校時代を過ごしたためか、根暗からのし上がって綺麗になった女の子を見ると勇気づけられる。

平和ボケして刺激を求め、殺伐とした現在。アイドルのなす役割はどう変化していくのか。

ただかわいいだけ、ではやっていけないことはAKB48の総選挙で実証済みだ。たいして歌も演技もトークも上手くないがカリスマ性だけはずば抜けていた前田敦子1位だった時代は終わった。整った顔立ちでもナイスバディでもない指原莉乃が、トーク力とぶっちゃけ発言でスキャンダルを物ともせず連覇を勝ち取る。

見ているものがアイドルに求めることが変わったようだ。田舎っぽくてかわいくて芸能人らしさのないおニャン子クラブが人気を獲得していた昭和。中毒性のある音楽とキレのよいダンスで人々を魅了した初代モーニング娘。が不動の地位を確立した平成初期。そして芸能人が飽和状態にある現在。顔がかわいいだけの子はたくさんいるが、その人間性が問われる時代になったと感じる。かわいいの基準も変わった。アイドルが芸能界で生き抜くことが、ますます難しくなった。

ネットを基盤にした宣伝も増えた。個人で公式ツイッターアカウントやインスタグラムアカウントを開設し、内面や私生活を表に出すようになった。身内のみにフォローを許可したアカウントからスキャンダルをすっぱ抜かれる。時代の変化といえばそれまでだが、すべてがネット基準になる傾向には漠然とした恐怖まで感じる。

なんにせよアイドルが必要とされない世の中が一番平和で満足度が高いのであるから、アイドルもアイドル文化も必要としない世に一刻も早くなってほしいものだ。