エアコンは嫌いです

都内某大学に通う文系大学生のメモ。

うどん その後

昨日に記した通り、わたしの中で今空前のうどんブームが巻き起こっている。うどんブームというより、讃岐うどんブームだ。

家の近くにあるはなまるうどんに通い始め、はや一週間。ひとくち食べた後の「これじゃないんだよなあ」という漠然とした不満が拭えず、未だ一度も行ったことのない丸亀製麺を切望する毎日であった。ちなみに丸亀製麺はわたしの住む街にはない。

今日、たまたま新宿に行く用事があった。用を済ませたあと、お腹ぺこぺこな状態で、さて晩ご飯。新宿には丸亀製麺があった。これは行くしかない、とわくわくしながら新宿三丁目丸亀製麺に足を踏み入れた。

入ってすぐ、立ててあるメニューが英語だらけ。見にくいなあと思っていたら、上に日本語のメニューがあった。少し恥ずかしい。

メニューを眺めていたら、親方という言葉が似合うような、気さくな初老の店員さんに、「決まった?」と尋ねられた。

チェーンのうどん店では一番安い冷たい麺を頼むことにしているので、ぶっかけうどん並(300円)を注文。ざるうどんはポリシーに合わない。

はいよ、と出されたのは、うどんにつゆがかかっているだけの、ぶっかけうどんだった。写真ではねぎが乗っているのに!おかしい。が、これがスタンダードらしいな、と判断し、天ぷらコーナーへ。

最初に目に付いたのはかきあげ。でかい。でかすぎる。手のひらサイズというか、顔サイズだ。これで130円とは安すぎやしないか。他に、鱚など珍しい天ぷらもあり驚いた。かしら、という天ぷらもあった。さっきの店員さんに、これは何ですかと尋ねたら、鶏の胸肉と言っていた。かしらなのに。

天ぷらは食べないことにしているが、初めての丸亀製麺で心が踊ってしまったのと、あまりにおいしそうだったので、サツマイモとレンコンを取ってしまった。こんなに食べられるだろうか。かき揚げに興味深々だったが、大きすぎて、うどんを食べたあとに堪能するのはお腹いっぱいになってしまうから難しいと判断し、やめた。

会計は500円。天ぷらふたつも頼んでこれは安い方だ。

お金を払い、トッピングコーナーへ。ねぎはここにあった。ねぎが好きなわたしにとって、好きなだけ乗せられるのはかなり嬉しい。はなまるうどんはほんのちょっぴりしか乗せてくれないのだ。天かすも、1つ1つが大きくてしっかりしている。かき揚げのおこぼれと思われる玉ねぎの端っこもあった。お得感。

ねぎをたっぷり、天かすをスプーン3杯乗せたら、麺が見えなくなった。これくらいが良い。ごまと生姜を少しずつ足した。

天つゆと、天つゆ用の皿と思われるものも置いてあった。天ぷら用に少しいただいた。

待ちに待った、いただきますのときがきた。まんべんなく具が行き渡るよう麺を混ぜ、ひとくち。

これだ!と思った。ほどよくコシがあるが硬すぎず、太すぎず細すぎず、表面はちゅるん。天かすはサックサクで香りもしっかり、つゆは出汁の香りが感じられ、ほどよくしょうゆ味、そしてほのかな酸味。

めちゃくちゃにおいしい。たまらず夢中でかきこむ。ひとくちごとにおいしさが増し、天かすとねぎのたっぷり入ったつゆまで完飲。おいしいものでお腹を満たせた幸せと、食べきってしまった少しの寂しさを感じた。300円でこんなにしあわせになれるなんて!

まだ天ぷらがのこっている。具を入れまくったため、すでにお腹はいっぱい。お腹がすいた状態でないと100%おいしさを感じられない!と後悔するも、時すでに遅し。レンコンの天ぷらを、まずは何もつけないでひとくち。

サックサクだ。アツアツではないものの、ちょうどいいくらいにあったかく、とにかくサックサク。中のレンコンもシャキシャキ。お腹いっぱいでも、ばっちりおいしさを感じられた。つぎに、天つゆにつけてひとくち。この天つゆがまた最高なのだ。かなり甘い。甘じょっぱいというより、甘々だ。だがそれが何ともおいしい。きっとレンコンは塩で食べた方がうまい、と思って、塩を少々ふってもうひとくち。これがいちばんおいしい食べ方だった。のこり分に満遍なく塩を振り、一気に食べた。

レンコンが予想外のおいしさだったので、当然サツマイモに対する期待値も上がる。こちらも、中はホクホク外はサクサクで、甘い天つゆをつけると止まらなかった。

いただきますからごちそうさままで10分少々であったが、帰宅してからも満足感は続いた。これで500円だ。他のものに500円使うのがバカらしくなってしまう。

はなまるうどんに行った時の「これじゃない」の理由は丸亀にあった。わたしが求める、安くておいしい讃岐うどん(と天ぷら)は、はなまるうどんではなく丸亀製麺だった。

毎日食べたいところだが、いちばん近くて中野か新宿にしかない。少し遠い。

たまに、の方がおいしさを感じられると自分を説得しつつ、この夏は丸亀の夏にすることを決めた。

1つだけ文句を言うとすればやはり、早くこの街に出店してくれ!というところだけだ。丸亀製麺のおかげで、素晴らしい木曜日になった。